2012年9月9日日曜日

花火大会

9月9日の花火大会が終わった。
ここに至るまでの道のりは長かった。

まず脚本の段階で「祭りとか書いて大丈夫なのか?学園祭?映画祭?」と、ファミレスで脚本家と延々悩みぬくところから始まり、
「花火大会兼夏祭り」で決を出して、撮影可能かを審議にかけ、照り返しは照明部に演出してもらうと決まり、登戸の祭りをロケハンし、青梅の花火を撮影し、
方向性が定まったのも束の間、その後ことごとく各地のお祭り本部に撮影を断られ続け、またスタッフ側も撮影の限界を感じ、
「花火大会、一から作るのでもいいですか?(エキストラ100人用意して 大会会場作って 100人分の時代感の出る衣装メイクをして エキストラの控え室等確保できる場所を見つけなきゃならないのですが)...いいですか?」
と、ドギマギしながらみんなに言ってから混乱の日々が続き、撮影予定日も7日から8日になり、8日から9日になり、10日という噂も浮上し、チーフ助監督が様々な穴を潜りぬけた結果9日と決定して、
やっと粗方の準備が整ったと思った矢先、急激に天気が崩れはじめた。
雨だったらどうする?もはや白目だった。

9月9日。
気付けば、花火大会の撮影が終わっていた。晴れていた。撮り切った。
スタッフの中ではもっとも結束力が試される場で、撮影環境としても最大の山場だった。
撮影後の余韻に浸れることもなく、個人的には反省点だらけで吐きそうになっているのが現状だが、この最難関まで辿り着き、撮りきれたというだけでも、チームの向上を確認できたことだと思う。
あとは今から残された時間で、同じミスを繰り返さないようにとにかく気を付けなくては。
撮影もさることながら、今日は5人のキャストのかたがクランクアップをされた。
とにかくもう安心しかない。
後藤さん、大河原さん、新谷さん、早瀬さん、鷹取さん、5人の人間が、
それぞれ役者としてでなく、春介、京子、宮瀬、皆実として、無事に映画の中に産まれ落ちることができた。とても感動的だ、と思った。
あとは、現在の宮瀬、美樹、高広の3人だけだ。
残されたお三方には、早く作品の中へ辿り着いて、スクリーンの中で呼吸をしてほしい。
撤収作業をしながらそんなことを考えていたら、あっという間に夜中だ。明日は美樹が父親と初対面する感動的なシーンだ。集中力を蓄えなければ。

そして私はまた、日誌を出すのが一日遅れた。
千円。

集中できない。


監督・内田

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